
- 村上 春樹
- 新潮社
ひたすら厚く、にもかかわらず絶望的なまでに薄い
いま小説家に望むのはこのように薄いぺらぺらの物語ではない。いまのマーケットで消費される物語ではなく、いまの時代を書く書き手が村上春樹ではないということはこれではっきりしてしまった。しかし、それでは誰が書くのだろう?
不思議な世界
書き出しからグッと引き込まれる 文章力はさすがです。 特に第1巻の冒頭部分は凄かった。 2巻では、核心に迫ろうとする部分で はぐらかされているもどかしさがありました。 読後もなんとなく1Q84の世界にいるような 気分を感じました。 内容から得られるものは特になかったですが 3巻も読んでみようと思います。
本作は純文学ではない
2009年6月16日の読売新聞に村上春樹のインタビュー記事がある。 「バルザックのような世俗そのものを書いた小説が好きで、この時代の世相全体を立体的に描く僕なりの「総合小説」を書きたかった。純文学というジャンルを超えて、様々なアプローチをとり、たくさん引き出しを確保して、今ある時代の空気の中に、人間の生命を埋め込めればと思った」(抜粋) また過去にインタビューで 「今の日本人には『カラマーゾフの兄弟』は長いし、難しい」と言っていた。 つまりバカにしているのだ、見下しているのだ。 チミたち、ガチで怒りたまへ。 歯食いしばって読め。ロシア正教をウィキで調べろ。 亀山郁夫のドストエフスキー関連書籍を全て読め! ファウストも読め!! そして春樹に言ってやるのだ。 「はぁ?『カラマーゾフの兄弟』ぐらいチョロイし」と。 まぁ、でも実際のところ深いとこまで読める人は絶対的少数だよね。 割合としては1割も厳しいような気がする。 某外務官僚は「日本人の実質識字率は5%」と言ってるし。 本書の中身について。 Book1のレビューで遠まわしに「もう、これ純文学じゃなくなってるよね?」と書いた。 筆者本人が「純文学というジャンルを超えて」といってる様に、本作は純文学作品ではない。 倫理観(善悪)、DV、宗教、物語、人のつながり等々色んなテーマがてんこ盛りの本作はとっちらかし過ぎていること、文体が読み易すぎることでひっかかりがないものになっていて、心にあまり響いてこない。けれど、それなりに楽しく(自分の中では漫画を読むに近い感覚で)読めたのでエンタメ小説として面白い、という評価。 ところで、Book1とBook2あわせて原稿1984枚で書いているのだから、 氏はBook3を出すつもりは最初なかったと思うので(インタビュアーに「続編を期待する声も上がるが」と聞かれ、氏は「どうなんだろう。この後どうするかということは、ゆっくり考えて行きたい」と言っているし) Book3は蛇足になると思うのだけど、どうよ? でも、出たら出たでとりあえず読むのだけど。 実際蛇足かどうか判別するためだけでなく、 エンタメ小説として楽しむために。
私には合ってた
今までに読んだ村上作品の中で一番良かった。 万人に向けた文章になったと思います。なんだか安心感。 いろんなジャンルの事がちりばめられているので 何度も読めるんじゃないかと楽しみ。 個人の成長だけじゃなくて、 日本の成長についても考えさせられました。 出てくる単語がワールドワイドな感じ。 独自性のこと、依存症のこと、 神経症のことなんかを考えました。 リトルピープルは依存症だと思う。良くも悪くもなる。 この話は十分免疫つけるのに役立ちました。 どうもありがとう、と言いたい。 いろんな人がいろんな気持ちになるといい。 そういう目的の本じゃないかな。 これからもこういう、頭がすっきりするようなお話を たくさん作っていって欲しいです。
愛だけは普遍で不変で不偏。
この本は,内容が一切明らかにされていない前評判の段階から「超有名」になり,店頭に並んだとたんにベストセラーになった。 なので,うさんくさいなぁと思い,ひねくれて読まなかったが,やっぱりどんなもんか気になるので今更読んでみた。 物語の中には,NHKの受信料の集金がこの世のすべてだと確信している人,とある宗教がすべてだと確信している人, ドメスティックバイオレンスに及ぶ男は殺してもかまわないと確信している人,その他色々な人たちが出てくる。 どの人たちの確信も同じ世界にいる人の間では「あまりに自明」のことであろうが, 外から見れば「そんなことないでしょ」と一蹴されるようなことである。 だとすれば,私たちが当然だと思っていること, たとえば,セックスは愛情交歓,快楽,受胎のためにあるということ,空に浮かぶ月は一つであること,なども 自明ではないのかもしれない・・・つまり,すべての物事は多義的である(それを受け入れる柔軟さが必要である)ということが言いたいのかな, と思った。 そして,その中で,後半になってメロドラマ的にクローズアップされる「愛」。 これだけは,1984年だろうが1Q84年だろうが,不変で普遍で不偏である。 さしあたり,自分はそのように理解してみたが,しかし,「以上,物語は終わりです」というわけには行くまい。 ストーリーは中途半端であり,その場限りの面白さだけでは,テレビのバラエティ番組と同レベルである。 4月に「BOOK3」が出るというが,1984年の延長線上に生きる者にも理解できるように1Q84年の謎を解き明かしてほしい。 それはそれとして,この人の小説はよくおいしそうな料理が出てくる。 主人公が夕飯に作るエビとマッシュルームとセロリの炒め物が読むからにおいしそうだったので, マネして作ってみたら,思ったとおりおいしかった。 料理のレパートリーが増えた。
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- クリーヴランド管弦楽団 / バルトーク / ヤナーチェク / セル(ジョージ) / Sony Music Distribution inc. (JDS) =music =
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